放課後、クラスメイトの机を覗くのが好きだった
タイトルの通り、高校生の頃放課後にクラスメイトの机を覗くのが好きだった。
当時の担任は基本的に起き勉(机の引き出しに教科書などを入れっぱなしにして帰ること)を禁止していた。
しかし、朝読の時間に読む本だけは置いていても良いという先生独自のルールが設けられていた。
私は好きな人のリコーダーにかぶりつきたいとは思わなかったが、みんながどんな本を普段読んでいるのか興味があった。
直接クラスメイトに聞けばいい話だが、全員に聞いて回るわけにもいかないので放課後の机覗きを決行することに至った。
放課後、誰も残っていないか細心の注意を払いながら私は覗き回った。
小説のカバーを巻きながら文庫本サイズの漫画を読んでいる人もいた。
それぞれいろんな本を読んでいて、次自分がどんな本を読もうか参考になった。
自分の隣の席の、大人しい男の子の机を覗いた。
読んでいた本は「ドグラ・マグラ」だった。
「ドグラ・マグラ」とは日本探偵小説三大奇書の一つとされている。
当時自分が使っていた電子辞書にもともと取り込まれていたので読んだことがある。
ほう、彼はこんな趣味を持っているのかと感心した。
感想を聞きたかったが話したことがない人に話しかける勇気がなかった。
が、今思い返すと話しかければ良かったかもしれない。
もしかしたら友達になれたかもしれない。
放課後の机覗きは他人の趣味を垣間見れて楽しかった。
月1の良い習慣であった。
そこのあなたも学生時代、誰かに机の中を覗かれていたかもしれないよ。