メグロの孤独日記

孤独な哲学科の大学生です。

得意料理はカレーと言う男

今日もとある飲食店でアルバイトをしていた。

 

20時ごろにある男女が来店された。

私はバレないようにこの人たちの会話にずっと耳を傾けていた。

 

特に私にとって興味深い話はされていなかったが(そりゃあそうである)会話に一つ気になる部分があった。

 

女性の

「普段料理とかするの?」

という問いかけに対し、男性は

「もちろんするよ」

と当然のように答えた。

 

女性は深掘りしようと思ったのか

「得意料理は何?」

と投げかける。男性は少し考え

「......うーん、カレーかな」

と言った。

 

私は男性の答えるまでの少しの間とその回答に対し懐疑心を抱いた。

得意料理がカレーならきっとスパイスに凝っているはずだ。

ただ、もしそうなら「カレー」と答えた後にスパイスのうんちくでも語り出すだろう。

それがなかった。しかも迷った挙句のカレー。

嘘くさいぞ。

 

案の定、後に続く女性の

「じゃあスパイスとか色々知ってるの?」

という発言に対し男性は言葉に詰まっていた。

......ように私は聞こえた。

 

そこの男よ、見栄を張るんじゃあない。

普段料理をしない男だと思われたって何も問題ないじゃないか。

一緒に作る料理もいいものだよ。

 

と、心の中で男性に語りかけながら私はその男女のもとへせっせと料理を運んだ。

 

ベラベラと話したがその男性が本当に得意料理がカレーである可能性もおおいにあるので、もしそうだったら申し訳ない。

これは全部私の妄想である。